『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

コンビニ受診

 前回は「後期高齢者医療」について病院へ行った感想をすぐ掲載したのですが、その後にリハビリ室で働いている人から得た情報によるとやはり四月からは患者数が激減しているとのことでした。
 今年に入った頃から徐々に数は減ってきていたそうですが、四月に入っての変化は劇的で内部の人間でさえビックリしたとのことです。
 もちろん患者側の過剰反応もありますし、それから保険収入の範囲内でないと予約を入れることができないという病院側の事情もあるようで、介護保険の時でもそうでしたが「机上の空論」で制度が先に作られてしまいますから、いつでも迷惑するのは当事者ばかりです。

 でも、見直しの議論は出てきていますが制度の撤廃をしようという話は一切出てきません。かつて病院の待合室は老人サロンとなり老人ホーム代わりのお風呂もない老人病棟が建設され、湯水のように医療費を使いまくっていたのが間違いであったことは誰もが分かっているからです。
 未だに老人医療の無料化を演説しているのは無能な政治家であり、もしくは庶民の問題をエサニ票集めをしたり問題をかき混ぜること自体が目的の政治家です。
 問題の本質は、本当に必要としている人に迅速に必要な医療を必要なだけとどけられる制度が作れるかということなのです。

 それと四月に入って、ますます救急受け入れを中止する病院が増えています。大学病院が派遣を中止するケースもあるようですし、負担の大きな職場を嫌われているケースもあるようですし、そして軽傷なのに救急外来を訪れる患者が相変わらず増えているということもあるようです。
 今朝の新聞朗読を聞いていて、何でも病院任せにするのを「コンビニ受診」と最近は表現するのだそうです。

 そして調査をしたところ九割以上が入院の必要がない軽傷であり、またその大多数が受診すら必要のない程度だったとのことです。
 ですから救急病院の存続が危ぶまれている京都の丹波地域のある町では、不必要な救急外来は控えようという地域運動をしたところ外来数が減少し病院の負担軽減となり、安定した運営につながっているという報告も掲載されていました。
 やはり問題の本質は、必要な人へ迅速に必要な医療を届けられるかということですね。

 さて鍼灸との関わりなのですが、元々が保険にほとんど関係のない自由診療なので今回の制度改正にはとばっちりを受けている程度で、マイペースを守るだけです。
 でも、国民のまだ大多数が秋には社会保険庁が年金無駄遣いから解体されて民間となり、手厚く保護されていた社会保険の制度も変更になってくることに気付いていません。
 国民年金と社会年金の差もそうですが恐ろしくて具体的には書けないほど国民保険との差があり、「コンビニ受診」などできなくなるのです。

 そのような時こそ、必要な人へ迅速に必要な医療が届けられる一つが鍼灸となります。ならねばなりません。
 国民の目が鍼灸へ向いたからといって、少し来院数が増えたといっても実力で増えたのでなければすぐ西洋医学へ戻られてしまいます。
 その時のために、鍼灸師は勉強をして腕を磨き続けなければならないのです。