『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

二回目の講師合宿が終わる

 本部例会の会務報告で「最後のお願いに参りましたといえば選挙みたいですが・・・」と夏季学術研修会への参加呼びかけをしたのは約二週間前になりますけど、手慣れてノウハウも得られた頃には業務終盤というのがボランティア的に運営する行事の常ですね。

 おかげさまで最後の呼びかけをしていた時点で見込み申込数が最低ラインの100を越えることが確実であり、現時点では110も達成できそうで最初にホテルと打ち合わせをした時に経費の見積もりから唖然として「120に到達しなければ本部からの補填を申し込まねば」と悲壮な決意をした数値さえ、夢ではなくなってきました。
 会場の経費が思わぬアクシデントのために跳ね上がってしまい、赤字転落ラインまで上昇してしまった第十五回漢方鍼医会夏季学術研修会 滋賀大会ですが、マンパワー不足の滋賀漢方鍼医会で乗り切るには、逆に施設が充実したリゾートホテルであったことが幸いしていたのかもと、今では思えるようになってきました。
 「この世で起こったことはこの世で何とかなるもの」とは私の父親の口癖ですけど、父親が用いている意味はおそらく投げやり的なものでしょうが肯定的に捉えるようにしていたなら、本当に「この世で起こったことはこの世で何とかなるもの」のようです。

 さて本部例会の前夜に二回目の講師合宿が行われましたので、そちらについて触れておきます。
 既成事実ができてしまいましたから今回は今後の合宿施設について継続利用に気を使う必要がなく、二年掛かりでトライした腹部を用いての衛気・営気の手法修練をカリキュラムへどのようにして組み込むかもクリアできていたので、「指導マニュアル」から「研修マニュアル」へと名称も変更して実技の流れだけ記述したメモに沿ってリハーサルを行うだけだったので、体力的にも精神的にも余裕を持って臨むことができました。
 しかし、どこの世界でもそうですがよく資料を読まず終着点を見据えないままその時の感情で言葉を発する人がいるので、どうしても立て板に水の流れにはなりません。
 まぁ横板に取りもち程どうしようもない状態ではないので、「こちらの意図をくみ取っていますか?」と声を荒げたくなる場面はありませんでした。
 それでも三時間という限られた時間であり、しかも仕事を犠牲にして集まってきた貴重な時間なのですからもっと効率よく全体の回転数を上げられなかったことは反省です。

 今回の夏期研のテーマは「証決定への手順」であり、私も参加させてもらっている拡大の学術委員会においてまとめられた「証決定の要点」をベースに、各自の証決定への手順を身につけてもらうのが狙いです。
 そのために二日目の実技の三時限目と四時限目は総合治療であり、実は一日目の二時限目の実技で既に証決定を行うところまでカリキュラムが組まれています。
 今までと違うところは選経・選穴された経穴を直接触るのではなく、軽擦を行い脉診や腹診を含めて全身の変化を把握して「本当にこの治療でいいのか」を確かめてから、実際の治療に入るようになったことです。
 正直なところ、病理考察を掲げるあまりに理論が先行して逆に強引な治療になっていた面があり、「方向性」の確認だけでの見切り発車という面さえありましたが、ジャストミートを求める姿勢が今回の夏期研で確立されるのではないかとの手応えです。

 何が書きたかったのかあまりハッキリしない内容になってしまいましたけど、とにかく二年間取り組んできた成果が間もなく実証されます。
 集約すれば、証決定とは治療の方向性を求めるためのものではなく、治療をジャストミートで行うためのものであることだと、鍼灸治療家の意識改革の一歩が踏み出されるように努力してきたつもりです。