『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

視覚障害者は、さらに高齢ドライバーに気をつけて

f:id:myakushin2001:20200727043307j:plain
だり泰斗付近に青あざがある24時間後の写真
< 視覚障害者が駅ホームから転落し死亡するニュースが年に何度かあるのですけど、実は私も駅のホームから転落(その1) と、苦い思い出があります。そして転落ではなく駐車場で交通事故に遭遇 と、その他にも何度か事故に遭遇しているのですけど幸いなことに入院騒ぎになるようなこともなく自己治療で回復してきています。 その他にも大きな外傷を定期便のようにやってしまう私なので、子供の教育費が増大する年代にも入ってきていることと自分の年齢を考えて、それから一度急性アルコール中毒寸前の状態で電車から降りねばならなかったという恥ずかしい思いでもあり、せめて独り歩きは慎重にと心がけるようにしていました。  一番危険度が高いのは道路の横断なので、往来の激しい場所は信号を使うようにして、信号のない場所は白杖を見せつけるようにして自動車が完全に停車するのを待ってから横断するようにできる限りしています。夕暮れの帰宅時間では帰路を急ぐので停車してくれるケースが少なく、運転手から見えていないケースも多そうなので、特にこの時間帯の横断は時間がかかっても慎重にしています。 ところが油断があったのか相手任せにしすぎていたのか、それともこれが高齢者ドライバーの恐ろしいところなのかという事故に遭遇してしまいました。 行き止まりになっているか駐車場への取り付けの道路だと自動車のスピードは出ておらず、そこを横切るのは割と安全だという認識でした。鍼灸院のすぐ近くにあるビバシティ彦根は県内最大のショッピングモールであり自動車の数も半端ないのですけど、駐車場への取付道路はスピードの出しようがない対抗ができる程度の広さの上に、曲がり角もあるというものです。大きな道路へ出る時には優先される直進車両がないかを確認せねばならず、左右どちらも見ていて当たり前の状態です。ですから出会い頭のような事故は見かけたことがありませんでした。私も歩行者が優先される状態かどうかを判断しながら6mの横断ですから、時々突出しすぎてくる自動車はあるものの接触事故もなく過ごしてきていました。 2020年07月26日の日曜日は、一度で用事が済めばよかったのですけどお茶請けのお菓子の買い出しに二度目の外出をしました。小雨が断続的に降る中であり、正午までに用事を済ませてしまいたいと急いでいたつもりはなかったのですけど、取付道路ですでに交差点へ突き出していた自動車は見送り次がまだ数メートルは後ろにあったことを確認して横断を始めました。優先順位は当然こちらの歩行者なのですが、次の自動車がスピードは出ていないもののそのまま突っ込んできます。「えっ、なんやねんこれは」と立ち止まったのですけどそのまま自動車が前進してくるので、被害を最小限に食い止めようと自分から倒れ込んだのですが左足の上をタイヤが通過してしまいました。 声が聞こえたことと後ろの自動車からの合図があったからなのでしょう、すぐ運転をしていた70歳前後の男性が降りてきて平謝りとなりました。  靴を拾ってもらい履き直しながら打診をすると響きがなく、力も入るのでこの時点で骨折をしていないことが自己診断できます。「すぐ病院へ行きましょう」と言われたのですけど、検査をしても何も出てこないでしょうし仮に骨折していたとしても亀裂程度なら処置がない上に、ギブスでもされたなら松葉杖になってしまうので一人で外出することも仕事も何もかもできなくなってしまいますから当然パスの意思表示です。こちらは落ち着いて状況の整理をしていましたけど、とにかく慌てられた様子です。「全く右方向を見ていなかったでしょう」の質問に、そのとおりでした。「普通に歩けますし自分自身が医療関係者ですから今後が予測できますので、この程度なら今後を注意していただくということで終わりにしましょう」と、こちらの方から申し出ました。写真は一日経過したところのもので、脾経の泰斗付近に内出血がありますからこの部分をタイヤが通過したのですけど、自覚的に痛みを感じているのは写真ではわかりませんが少し腫れている公孫と然谷の中間くらいの場所でした。6時間後くらいが痛みのピークだったのですけど、それでも階段を降りるのがきついくらいであり自発痛も大したことはありませんでした。あくる日からは外出時の歩行では少し痛みはあるものの、治療室を動き回るのに全く支障のないところであり、もちろん自己治療で順調に回復をしています。 今回は最近の外傷では一番軽いものであり、本治法は脾虚肝実証から始まり局所には瀉法鍼を加えることで痛みが即座に軽くなっていますから、ここを問題にしたいのではありません。問題の本質は、なぜそんな短い距離で歩行者や自動車に関わらず優先される方向の通行を見落としたままで運転がされていたかです。  この自動車は左方向へ曲がりたいということで左方向ばかり見ていたのですけど、曲がりたいのであれば当然ながら右から侵入がないかを先に確認せねばなりません。割り込む形で侵入しようというのですから、割り込めるスペースが十分にあるのかを確認しないと、優先方向の自動車に突っ込まれてしまいます。それなのに右方向を全く見ていなかった。考えられることは、高齢ドライバーゆえに注意が散漫だったからなのでしょう。決めつけてはいけませんけど、私は「右を全く見ていなかったでしょう」と質問をして、そのとおりだという回答を引き出していますし、あの慌て方は嘘ではありません。  今後の歩行時、比較的安全だと思われる道路でも、相手が高齢ドライバーで注意が向けられていない可能性を常に意識しておかねばならないという教訓になりました。この程度の勉強代で済んで本当に良かったのですけど、昔の癖で急いで歩こうというのは絶対にやめないとと強く強く感じました。