『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

covid-19は感染者数とともに重症化率を公表すべき

この記事は2022年7月24日時点のものであり、かなり急いで執筆しているので若干の矛盾を含んでいるかもしれませんけど、私の周囲の人々への緊急提言です。

 どうしても背後の情報が必要なのでそれなりの文章量になってしまいますから、まず結論部分を書きます。covid-19でのオミクロンの亜種BA5での重症化率は交通事故に遭遇するよりも低いミクロの単位です。ですから、感染者数の発表には一定の意義はあるものの、同時に重症化率を発表しなければ医療機関への負担を増大させているだけです。そして恐怖心を増大させるばかりで、日本の社会をますます歪まさせてしまいます。すぐ重症化率も同時に発表してください。単純な計算で、その意味を証明します。
 7月21日に東京で始めて3万人を超えて31878人だったのですけど、計算しやすいように30000とします。もし3000人が重症化していたなら10%ということで、これはパニックになります。でも、パニックは発生しておらずほとんど自宅療養で回復しているということは300の1%でも大きすぎる数字であり、発表でもそのようには聞きません。では30だと0.1%ということになり、外来は大混雑でもベッドが埋まりきっていない適切な数字に近いでしょう。ところが「本日の重症者数は15人でした」と、衝撃的な数字を次に聞きました。「えっ、30でも多めに見積もっていたのにちょうどその半分だったの!?」ということで、0.05%ということはインフルエンザより軽い病気になるのです。もっと衝撃的だったのは「昨日より二人減って15人でした」というのですから、毎日の増加ペースは0.05%よりずっと低いのです。
 23日の夜でも全国トータルの重症者が210人ということで、covid-19がなかったとしても東京の病院で別の病気から入院していて集中治療を受けている人はそれくらいの数字になっているでしょうから、全国では「たったそれだけ」なのです。しかも超高齢者がほとんどですから、発熱から体調を大幅に崩しただけでありcovid-19でなくても集中治療が必要になる時期だった可能性が高いです。中程度の人がその10倍いたとしても、全国で2100くらいですから、やはり「たったそれだけ」なのです。
 政府がインフルエンザを下回っている上消化率を公表しなければ、ずっと医療費の無駄遣いが続くのであり、中国のように経済活動が再び落ち込んでいってしまいます。ゼロコロナは無理だとお手本を示してくれているのですから、「重症化率を考慮して行動しませんか」というのが結論です。

ここからは背後の情報になりますから、興味がなければ読まれなくても結構です。 covid-19が2019年末に中国の武漢市から世界中に広がって二年半、ウィルスというものは変異をしていきますから原株からアルファ・デルタと大きな波があり、そして感染力がデルタの数倍になるオミクロンが2021年後半から世界中で上書きされてきています。ただ、ウィルスの目的は長くこの地球上に存在していたいだけなので、時間が経過すれば宿主に取り付いても排除されない程度の存在に落ち着くのが常であり、オミクロンになって感染力は増大しましたけど重症化率は下がり続け、直接にコロナ感染で数日後には死亡してしまったということを聞かなくなっています。まず、この「コロナで直接には死なない」ことが大切です。
 ただ、医療関係者でもよほど冷静な分析ができる人以外は、ウィルスそのものも対処法も何もわからなかったので処置を担当した医者も看護婦も大量に感染して死に至っていた一番最初の武漢市での記憶が生々しく、その後も北イタリアやニューヨークでの惨劇の動画を見ているので「コロナは怖い」と連鎖反応が未だに抜けていないでしょう。素人はテレビのワイドショーが繰り返し流した映像と恐怖を煽るコメントが未だに心にこびりついていることでしょう。だから毎日発表される感染者数に一喜一憂してしまいます。
 けれど2500万人を二ヶ月間も強制的に閉じ込めた上海市のロックダウンでさえ前半の一ヶ月はほとんど感染者数が減少しなかったのを考えると、軽率な弘道は慎むべきですが外出したり人と交流することが悪いわけではありません。まして飲食店の利用は感染者数と全くというほど関係なかったのであり、行政が「いじめ」をしていたことをきちんと謝罪したでしょうか?

さて、もともと感染力の強いオミクロンがさらに亜種となりBA5はそれまでの1.4倍の感染力ということで、これはもう感染を防ぎようがありません。インフルエンザの流行期でも一人が次へ感染させてしまう実行再生産数が3から4だというのに、BA5は18だということですから、空気感染を起こしているとしか推測のしようがありません。エアロゾル感染と空気感染の定義がじつはないそうで、一般的にはごく近距離をエアロゾル感染・数メートル離れていても感染力があるのが空気感染とされているようですが、エアロゾル感染はノロウィルスで空気感染は麻疹が確認されている程度らしいです。ただ、ウィルスは極小であるため水分に弱くこまめな手洗いとうがいはかなりの防御力になってくれるでしょう。要するにノロウィルスの防止策を、covid-19にも応用すればいいわけです。
 逆に器具をいくらアルコール消毒しても細菌とは違うので効力は長続きせず、まして頻繁なアルコールでの手指消毒は有益な常在菌まで消滅させてしまっているので実は人体の抵抗力を落としてしまっています。ワクチン接種会場で待機が終わって出口へ向かっているときに、もう一度アルコールでの手指消毒を言われたのには驚愕しました。わざわざ感染しやすい身体に戻して、何がやりたいのでしょう行政は。
 ですから、一般的な感染対策はすべきですけど感染してしまうことそれ自体は、個人の責任とはいえません。日本人が持ちやすい「なってはいけない病気になってしまった」という罪悪感を背負う必要は、これはないのです。実際に鍼灸院で後遺症の治療を頼まれたとき、ほとんどの患者さんは罪悪感を引きずっていることからの体調不良でした。不幸にして陽性反応が出ているときに胃腸炎になってしまい、通常なら天敵だけで回復して終わりのはずが感染症病棟へ入院させられてしまったという人は、心の傷のほうが遥かに大きかったです。風評被害での心の傷を背負ってしまった人や、営業不振から心のバランスを崩してしまったなどなど、covid-19の影響は別の意味で歴史に残ってしまいました。

 最後にしつこいですが、重症化は交通事故に遭遇するより確率がずっと低いのですから、「念のため」とか「心配だから」という検査はもう停止しませんか?「検査はどれだけやっても検査であって治療ではない」は鍼灸院で常に話していることですけど、意義のあることのみを検査すべきです。明後日の方向を向いて検査をしても何も出てこないのであり、誤検出で感染者にさせられても損なだけです。