『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

ルンバでエラー2、ブラシが汚れているというエラーの対処法

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ルンバE5本体を裏返しにしたところ、デュアルアクションブラシの一つはキャップを外してあります
<今回は鍼灸院のブログですけど、鍼灸院で活躍してくれているロボット掃除機「ルンバ」のトラブルと、その対処法です。本体音声での“エラー2”は出現頻度が高く、「ブラシが汚れています」というエラーもアプリによく表示されてくるのですが、具体的にどこが汚れているのかを教えてくれないのであり、本体をひっくり返して調べることになります。その中でも、変な音がしてブラシが回転していないような感じのときに、この記事から調べてみてください。
 なお、文章全体はそれほど長くないですけど、手入れ方法だけが知りたい方は下の方へワープしてください。

 使っているルンバE5は、2018年10月に発売された日本向けモデルと言うべきものです。日本からダストボックスの水洗いができるようにしてほしいという要望が強かったようで、その他にコンパクトやステーションも簡素など日本の建物からの要望を基準に設計されたそうです。
 「にき鍼灸院」では2014年くらいからロボット掃除機を導入していたのですけど、大きな治療室が20畳、小さな治療室が6畳、待合室も6畳、そして事務スペースやキッチンなどがありますから一回部分が合計で40畳を越えているので、全盲の私が丁寧に掃除機をすると40分近くもかかってしまいます。晴眼者にやってもらっても20分ではちょっときついというところであり、時給1000円として毎日掃除機だけで500円近い賃金が発生していたわけです。一ヶ月だと、なんと1万円です。それだったなら普及が進んできていたロボット掃除機を使ってみようかということになったわけです。半年ちょっとで元が取れてしまう計算ですね。
 けれど8年前のルンバはまだ高価格の上に、隅っこが苦手だという記事が多くありました。そこで四角くて隅っこに強く静かだという評判のLGのものをアマゾンからルンバの半値近くで購入。音声ガイドが日本語であり、専用リモコンも直感的デザインで使いやすく、スケジュール設定などがタッチ画面でないとできない程度で快適に使い始めました。導入当初にはロボットが掃除できるようにベッドの配置を工夫するなど試行錯誤はありましたけど、結果的に臨床での治療室の回転を早く出来るようになるなど良い結果をもたらしてもくれました。
 けれど半年経過しない頃から、途中で停止することが出てきたなら少しずつ全体走行できない失敗の回数が増えてきてしまいました。段々と走行がアホになっているみたいです。あれほど最初はキビキビと走行していたのにです。ジャイロセンサーにエラーが出ているというメッセージも出てきます。
 LGのロボット掃除機はバッテリーの寿命に伴い2つ使いましたけど、二代目もジャイロセンサーにエラーが出てきました。それでジャイロセンサーがどこにあるのかを説明書から見てもらうと、電動ベッドの硬い金属部分と高さが同じだったのです。どうしても掃除中に体当りしてしまうことはあるので、そのときにジャイロセンサーが頭突き状態になってしまい、それで破損してしまったようです。数年でジャイロセンサーが必ず壊れるのではロボットにもかわいそうですし、ルンバもE5が発売されていたので、ここで乗り換えることになりました。

 ルンバは昔から本体に3つのボタンしかなく、中央の大きなボタンはスタート・ストップ、説明書通りだと右がクリーンボタンでエラーが出たときに再起動させるために押す必要があり、左はステーションへ戻すボタンと、たったこれだけです。ちなみにシンプルすぎてステーションの上へ置いたときに充電に入ったことを音では知らせてくれないので、視覚障害者はルンバ自身にステーションへ戻させて充電させないとです。最悪はアプリから充電状態を見れなくはないものの、完全放電させてしまったならあっさり晴眼者に頼んでいます。
 現行モデルはwifi対応で、スケジュール設定などはアプリから行います。iPhoneのアプリはボイスオーバーで普通に操作できますから、LGのときよりも更に使いやすくなった印象です。毎朝スケジュールで掃除をさせているのですけど、終了時には通知が送られてくるのでこれは地味に便利。また一ヶ月に一度程度は大きすぎるものを吸い込んだなどエラーで停止することは仕方ないのですけど、この通知も届きます。

 さて、ここからメンテナンスの話になります。写真は本体をひっくり返したところで、デュアルアクションブラシは外してあります。ここが今回の肝になります。
 まずダストボックスは写真では外していませんけど、ボタンを押すだけで簡単に外せてゴミを分量に応じて捨てます。分量が多いとダストボックスに入りきっていなかったものが外したときに横へこぼれてしまうので、注意してください。鍼灸院では週に一度ずつ回収するのですけど、使い終わったクイックルを回収時にさらに活用してこぼれたゴミを拭き取り、ゴミ箱へ捨てるときにも内部も拭き掃除しています。
 次にエラーが多いのは「ブラシが汚れている」というもので、ブラシに何かが挟まっていることがほとんどなのでこの場合は原因をつまみ出してクリーンボタンを押せば回復します。不注意で床に大きめのものが落ちていたときに発生します。使い捨て枕カバーに活用しているクッキングペーパーを吸い込んでしまうことが「にき鍼灸院」では一番多いのですけど、大きめのレシートなどで詰まってしまうこともあります。分解掃除までは不要です。
 左右のタイヤに何かが挟まることもあるのですけど、本体をひっくり返して手でタイヤを回してやれば回復できますから、その後にリスタートするだけです。
 左上の回転ブラシは物理的に床面をこすってゴミを集めているので、これは消耗品と考え半年に一度ずつくらいで交換するのがいいようです。純正品もありますが、頻繁に交換するので互換品を使っています。エアダストフィルターも定期交換が必要なので、互換品を使っています。
 デュアルアクションブラシとダストボックスは水洗いができるので、長期の休みのたびに洗っています。ただし、ダストボックスにはめ込まれているエアダストフィルターは水洗いできないので、注意してください。デュアルアクションブラシは外す前にどちらがどちらだったかを覚えておかないと、初めて戻すときに大変な苦労になりますよ。片方が四角形と八角形になっているのでこちらを先にはめ込み、上から抑えるようにすると元通りになります。回転部分で異音がするというブログ記事を見たことがあるのですけど、E5のユニットは一体型で分解できないようになっており、この心配はなさそうです。

 いよいよ今回遭遇した、初めての大きなトラブルです。お盆休みにいつもの手順で水洗いをして、組み立てもなれてきたので数分で元通りですから試運転をと動かしたなら、いつもの甲高い音がせずデュアルアクションブラシが滑っているような音がします。しばらく走らせていると回復することがあるので様子を見ていましたが、エラーが発生するので何度か分解と組み立てをやり直すのですけど、症状が回復しません。
 晴眼者の家電に強いパートさんにも見てもらいましたが、表面はとても綺麗だということですしゴムが摩耗していることもありません。「ブラシが汚れている」と言われても、回転ブラシはお盆の直前に交換したばかりです。ただ、水洗いしたばかりなのに毛髪の残りがまだあるという指摘はありました。
 このデュアルアクションブラシ、ロボット掃除機の泣き所だったゴミを吸い取るブラシに毛髪が絡みつくので清掃をサボると大変なことになってしまうのを、ゴムに置き換えることで解消できたというものだった蓮が、時間が経過すると確かにこびりつくような感じの毛髪はありました。横から出ていたものを指で引っ張り出して対処はしてきたのですけど、「中の方に入り込んでしまったものがあって動力伝達が滑ってしまうならもう一弾解このブラシが分解できれば除去できるのに」と、半分やけくそでブラシの両端を引っ張ってみたなら片方が抜けてしまいました。指がブラシの内部に入れられそうだったので探ったなら、大量の毛髪が圧縮されて蓄積していたのです。男のワタクシでさえ、思わず悲鳴が出そうなくらいの衝撃でした!!それまでは大丈夫だったのですけど、水洗いをしたときに圧縮されていた毛髪が水分を含んで膨張してしまい、それが今回のトラブルとなったようです。
 写真のデュアルアクションブラシは、一つは抜けるキャップを外した状態で、もう一つは組み立て直した状態です。抜くのも組み立てるのも方向さえ合っていれば単純なことなので、特に難しくはありません。完全に毛髪を吸い込むことを防御はできないので、入り込んでしまったものは分解掃除のときにまとめて出せる構造に最初からなっていたようです。これがマニュアルに写真や図で説明されていたならなんということはなかったのですけど、原因追求に三日間もかかってしまいました。直後から元の甲高い音に戻り、しっかり掃除をしてくれるようになりました。

 このE5という日本人ユーザーの要望から生まれたモデルなのに、この手の対処法があちこち探しても掲載されていなかったので、自分で備忘録として書いてみました。
 ちなみにアイロボット社はもともとは掃除機の会社ではなく、文字通りAI系統の作業ロボットや工作機を手掛けていた会社であり、その技術の延長線で障害物を判断して自走する掃除機を発売したなら大当たりしたということだったらしいです。実はロボット掃除機なるものは日本の家電メーカーがもっと早くに実用レベルのものを開発していたのですけど、「仏壇の経机にぶつかって火の付いている蝋燭が倒れてそこから家事になったならどうするんだ」などと架空の上に架空を重ねて認可をしなかった役所に阻まれて、発売に至らなかったという事実があります。電気自動車でも自動運転でも、日本の技術なら今すぐにでも実現できるものを、未だに許認可権で停滞させているのが日本の行政です。70年代から80年代なかばまでの“Japan as No.1”といわれた突出した技術力と経済力をもっと後押しすべきなのにつぶしてしまったのは行政です。鍼灸という技術は幸か不交か今のところ行政ににらまれていないので個人が努力さえすれば伸びる分野なのですけど、後押しをしてくれれば世界経済さえ救える技術に伸びることも可能なのにといつも考えています。
 でも、アイロボット社もアマゾンが買収をしました(投稿時点では買収交渉中だったのですけど、ヨーロッパの規制で横槍が入り2024年に買収断念のニュースになりました)。どこが巨額買収にメリットを見たのかまだよくわかりませんけど、きっとロボット掃除機ではなく制御技術の方なんでしょうね。鍼灸も本当は整形外科的な分野ではなく、人間まるごとの治療が一番のメリットなんですけどね。