『にき鍼灸院』院長ブログ

不定期ですが、辛口に主に鍼灸関連の話題を投稿しています。視覚障害者の院長だからこその意見もあります。

レセプトオンライン義務化の記事を読んで

 ここ二回は臓器移植改正法案のことで過激な内容になっていますけど、今回も少々過激かな?ということで、コメントは控えめのショートバージョンで書いてみます。

 こんな記事が紹介されていました。東京都医師会の理事に聞く「レセプトオンライン請求義務化の現状と課題」 − TechTargetジャパン
 これはIT産業側からのレセプトオンライン義務化に対する現状と問題点についての記事であり、回答を寄せている医師もレセプトコンピュータの導入そのものに反対しているわけではなくむしろ推進派ですが、義務化については否定的です。しかし、私は自作パンフレットの話(おまけ)、電子カルテの導入を!でレセプトのオンライン義務化に反対している医師が非常に多いことへ疑問を投げかけていますけど、最近になってまた奈良県でしたけど生活保護者へ心臓カテーテル手術がやたら多いことから不正請求が発覚した事件が報道されていて、この病院の「なんちゃって手術」に似たことが各所で行われているとしか思えないのです。

 記事の中で「レセコン操作の出来る医療事務員の確保」が問題とされていますが、これだけキーボードが発達したのに新しい事務員が確保できないはずはありません。就労中の事務員も不況ですから職を失いたくないので、対応するでしょう。医師自身が対応しないことは問題ですけど、専門職の重労働の上に恒例の先生へは対応は求めませんが、現在でも事務処理はしていないのですから大きな障壁ではないはずです。
 次に機器導入コストについて述べられていますけど、パソコンと差のない価格帯でありランニングコストについて問題提起されていますが紙を使った場合との比較がされていません。ランニングコストについては差がないか数年で逆転するでしょうし、データベースとしての活用を考えれば費用対効果の差は歴然です。大きな病院では院内LANの構築と対応端末への入れ替えコストが莫大になるはずですが、不思議なことにこの点に関してはベンダーが追いつかないとしか語られていません。むしろリース期限とともに自然に入れ替えることが提言されています。
 それから個人情報の流出については大きな問題ですけど、データをCD-RやMOなどで持ち出すのとオンラインで違いはないように読めましたが、ウィルス感染はむしろリムーバブルメディアの方が現在では危険性が高くこれも該当しません。それと住民基本台帳の制度がスタートしてかなりの年月となり、住基ネットで個人情報のある程度は流れているのですからこれらと付き合わせることにより不正請求やどこかの政治家ではありませんけど既に死亡している人の名前で請求書が作成されるなどが防止できます。

 一番理解できなかったのが、テレビの地上波デジタルへの移行のように自然発生的な流れが必要であると語られている部分です。これこそ政府による強引な処置であり、景気対策の名の下にエコポイントと称してキックバックを餌に無理矢理テレビを買い換えさせているのを自然な流れと考えているのでしょうか?
 生活保護世帯ではテレビが買い換えられないのでコンバータを貸与する計画になっているらしいですが、既に通信と放送の境目がなくなってきている時代にまだ無理矢理な地上波デジタルへの移行が必要とは思えません。BSデジタルが既に整備されたのですから、そちらの方を推進する方が過疎地や離島などを含めるとコストパフォーマンスは絶対に高くなります。ワンセグで喜んでいるのは携帯電話を使ってでもテレビが見たい人たちだけですが、今から廃止されてもyoutube動画を見たり自分で動画を持ち込めますから不自由はないはずです。自動車の中でも見たいというのは、言語道断です。

 ショートバージョンと宣言しておきながらまた長くなってしまいましたが、とにかく電子カルテの導入はこれからの医療には必須です。それは患者さんのためが第一であり、正確な施術を行う手助けにもなるからです。
 ちなみににき鍼灸院でカルテ管理をしているパソコンは、普段はインターネットから遮断しています。ですからレセプトのオンライン義務化といっても常時接続するのではなく、必要な時だけ通信させるという発想の転換を求めたいですね。